大商ニュース連載企画「CHANGE FASHION」大阪・関西万博を機に、共創しながら繊維・ファッション産業の未来に向けて挑戦する出展企業17社を紹介します。
第8回目は株式会社太洋商店さん!インタビューに対応いただいたのは、代表取締役社長の東出達也さんと担当者の中安瞳さんです!



近江商人の商売十訓のうちの1つ「資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし」。
どんな商売でも、まずは目の前の相手の信頼を勝ち得ることが大切である。

滋賀県・守山市と大阪市に本社を持つ大洋商店は祖業の生地卸のみならず、手袋、アイソレーションガウン、防災用簡易トイレと幅広く製品も扱っている。小規模の企業ながら得意先は約500社と多い。
社員一人ひとりがエキスパートとなり、顧客のどんなニーズにも細かく対応した結果、取扱品が増えていった。同社の東出達也代表取締役社長は「お客さんのよろず相談屋になりたい。どんな要求にもこたえている。」と語る。コツコツと積み上げた信頼で、先代から売り上げを3倍にしている。

また、新規市場開拓にも意欲的だ。同社が大阪・関西万博でアピールするのは、お米を使った日本発の合成皮革「お米ッタン」。食用に適さない古米や東日本大震災での休耕地・耕作放棄地等を活用して栽培した資源米をアップサイクルして製造された植物由来の合成皮革で、環境保護の観点から注目されている。
今回は呉服屋やプリント生地の繊維卸と協業し、この合成皮革と着物やプリント加工との融合に取り組む。新素材を生み出し、新しいファッションを表現する。

すでに、万博での協業を機に、新たなビジネスもはじめているという。東出氏は「万博は自分も成長できる機会。どんな人と会えるのか楽しみ。」と心待ちにする。

米由来の合成皮革で作ったバッグを手にする東出達也さんとその合成皮革にヒョウ柄のプリント加工をした試作品を持つ中安瞳さん