大商ニュース連載企画「CHANGE FASHION」大阪・関西万博を機に、共創しながら繊維・ファッション産業の未来に向けて挑戦する出展企業17社を紹介します。
第2回目は株式会社リゲッタさん!インタビューに対応いただいたのは、高本やすお社長と広報担当の松田良平さんです!


「サンダル生産の街・生野区からかっこいい靴をつくりたい。とにかく周りの職人に年中仕事があるようにしたかった。」
そう語るのは企画・販売まで手掛ける靴メーカーのリゲッタ(大阪市)の高本やすお代表取締役社長。同社は履物の下請け製造であったが、下駄から着想を得たオリジナルデザイン靴「リゲッタ」を開発、自社店舗を持つ靴メーカーに転換した。

同社製品は、生野区の職人約300人が携わるバトンリレー形式で生産。新商品の加工を職人に発注する際は、従来のサンダル生産とは異なる作業になるため反発もあった。高本氏は、オリジナル商品を手掛ける重要性を職人ひとりひとりに説明、協力を得ていった。現在では、新商品へ前向きに取り組む職人も増え、メイドイン生野区のブランドを育てる体制が整った。

大阪・関西万博では、「宙に浮く靴」を共創する。靴を接地させることで歩行できるものだが、敢えて宙にに浮かせることで、既存の概念を超えた靴に挑戦。将来的に介護現場等での活用だけでなく、「浮く技術」を靴のクッションに応用した、ゴムボールのようなはずむ感覚を味わえる靴の開発も目指す。

同社の経営理念は歩行をサポートする機能性とデザイン性を追及した「楽しく歩く人を増やす」。高本氏は「歩けないと人生は楽しくない。歩行に困難を抱えた人でも、空中に浮く靴が『歩けるかも』『一回、履いてみたい』と思える楽しい仕掛けになれば。」と意気込む。

「リゲッタ」を履いた「ミャクミャク」のぬいぐるみを手にする高本やすお社長と「宙に浮く靴」の試作品を手にする広報担当の松田良平さん