大商ニュース連載企画「CHANGE FASHION」大阪・関西万博を機に、共創しながら繊維・ファッション産業の未来に向けて挑戦する出展企業17社を紹介します。
第16回目は株式会社丸十さん!インタビューに対応いただいたのは、社長の北山典彦さんです!

日本の伝統・和服を彩る繊細な職人技術を次世代へ――。

 丸十(東大阪市)は、1905年創業の老舗呉服小売店。呉服小売市場が全盛期の80年代と比べて、約9分の1まで縮小する中、同社は高付加価値の着物を武器に売り上げを堅調に伸ばしている。産地の織り職人や染め職人とともに細部までこだわりぬいた、世界に一つの「勝負着物」を提案。これを求めて、東京などから足を運ぶ根強いファンもいる。北山典彦社長は「一人一人のお客様のニーズに合わせ、『あっ』と心が躍る着物づくりを心掛けている。そこに欠かせないのは職人の技」。
 同社は着物を楽しむイベントや月2回のボランティア着付け教室も実施、「着物の人口」の増加に努力している。また、美しい織物を使った洋装の「オーダーメイドスーツ」事業も始めた。「着物に関心を持っていただくだけでなく、その裏にある素材・技術にも気付いてほしい」と北山氏。

 万博では、大阪の中小企業と共創し、最新技術であるPOM繊維を使った着物を展示する。POM繊維とは、天然ガスと空気(二酸化炭素、水素など)から生成された化学繊維で環境負荷が少ない素材。これを職人技で絹糸と織りあわす。北山氏は「いつの時代も『美しさは無限大』。日本の着物はファッションとして海外と比べて、一線を画している。可能性を秘めた業界だということを日本文化とともに伝えていきたい」と穏やかに語った。

健康・美容にも良い絹糸を持つ北山典彦社長。撮影場所は大正ロマン薫る近代建築「船場ビルディング」内同社サロン